Laparoscopic Surgery

腹腔鏡手術について

通常の手術の場合はお腹を数センチ切開する必要があり、体に負担がかかりやすく、術後も傷跡が残ってしまいます。一方、腹腔鏡手術ならお腹を3箇所ほど数ミリ程度切開し、そこから小型カメラやハサミを挿入して処置を進めていけます。傷口も非常に小さくなり、早期回復が期待できます。

腹腔鏡手術の
メリットデメリット

  • メリット
    • 痛みを軽減できる
    • 術後の傷跡が小さい
    • 早い回復が期待できる
    • 高性能カメラによる鮮明な動画をもとにした手術
    • 胃腸機能の改善と回復が期待できる
    • 内臓癒着のリスクが減り安心
  • デメリット
    • 開腹手術に比べると治療費がやや割高
    • 出血が多い場合は開腹手術に切り替える必要もある
    • お腹に入れた炭酸ガス(気腹)による循環障害のリスクがある

腹腔鏡手術と開腹手術の違い

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腹腔鏡手術 開腹手術
安全性
  • カメラで拡大した状態で血管や神経の様子を確認できる
  • カメラを撮影している状態で止血の有無を確認できる
  • 肥満犬や大型犬は傷が広がりやすく体への負担が大きい
傷の大きさ
  • 1cm以下の傷が3か所程度
  • 脂肪の量によっては傷を拡大するケースもあり
  • 5cmを超える傷ができるケースもある
  • 卵巣や子宮に負荷がかかりやすい
  • 止血の確認が難しい
術後
  • 痛みが比較的少なく、術後から元気でいられる子も多い
  • 約10日前後で抜糸可能なケースがほとんど
  • 切開した傷が小さいので治癒が比較的早い
  • 術後2日~3日は元気が出ない子もいる
  • 約10日前後で抜糸可能なケースがほとんど
負担 小さい 大きい(特に大型犬)
費用 開腹手術に比べると費用がやや割高(高度かつ専門的な機器を用いた手術のため) 腹腔鏡手術に比べて安価

腹腔鏡でできる手術・検査

  • 避妊手術

    小さな傷口から切除した卵巣や子宮の取り出しが可能です。処置の様子はお腹に挿入したカメラの映像から分かり、止血の有無も確認できます。卵巣は引っ張らずに切除するため、開腹手術に比べると痛みや体への負担が比較的少なくなります。

  • 腹腔内潜在精巣手術

    睾丸がお腹の中や鼠径部の皮下にとどまっている状態を、「陰睾」もしくは「潜在精巣」といいます。正常な精巣に比べると腫瘍化するリスクが非常に高く、通常の開腹手術では体にかなりの負担をかける恐れがあります。そのような心配も腹腔鏡手術なら安心です。お腹に開けた数ミリ程度の傷からカメラや治療器具を挿入し、陰嚢の内部を確認しながら睾丸の摘出が可能です。

  • 肝生検

    血液検査によって肝機能に異常があると判断した場合、レントゲンや超音波を用いてさらに検査を行いますが、それでも原因がわからないケースも多くあります。その際は、肝臓の組織の一部を切除して調べる「生検」を行い、肝臓の状態を明らかにしなければなりません。従来の治療では開腹手術で行っていましたが、腹腔鏡手術でも肝生検の実施が可能です。

  • 膀胱結石手術

    結石が膀胱に溜まっている場合、膀胱結石手術が必要です。腹腔鏡手術では、挿入したカメラに映し出された映像を頼りに、結石を一つずつ丁寧に除去していきます。肉眼よりもさらに精密な手術ができ、必要によっては組織生検も可能です。